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福祉用具の選び方

排泄関連用品(17)

「差し込み便器」

皆さん、こんにちは。
「排泄関連用品」の17回目です。

当たり前の話ですが、便器は便意がある人が利用するものです。
便意が分からなくなってしまうと、便器は利用できず、オムツを使用することになります。
逆に、便意が分かるのであれば、例え起き上がれなくてもオムツではなく便器を利用したいのです。
便意があるのにオムツを使うことは、心理的抵抗があるだけでなく、自尊心を深く傷つけ、諦めや無力感を引き起こし、認知症の引き金になるとまでいわれています。

逆にオムツが取れることによって、オムツをしていた頃と比較して見違えるほど元気になった人も多いのです。
しかし、起き上がることのできない人が利用できる便器は限られ、当然ですが通常の便器やポータブルトイレなどの利用は困難となります。
そこで登場するのが、今回紹介する「差し込み便器」です。

寝たきりなど、自力でトイレやポータブルトイレは使用できないけれども、尿意や便意は自覚できるという方に対して、介助者が下半身に文字通り便器を差し込んで排泄を行なうというものです。
イメージ的には、蓋と取っ手が付いた大きいスコップのようなものを考えてください。
寝たきりの方でも自力で排泄が行なえるという利点はありますが、その反面、自力で腰を持ち上げることができない方の場合、介助者が腰を持ち上げなければならず、介助者の負担が増えるだけでなく、差し込み便器を入れることで不自然な姿勢で腰が上がるため不快感を覚える方もいます。

古いタイプの差し込み便器はホーロー製やステンレスでできていたため、長時間使用すると身体が冷える場合がありました。
また、堅い素材でできていたため、床ずれの人には使用することができませんでした。
しかし、現在市販されているものはポリエチレンやポリプロピレンといった素材で作られているだけでなく、床ずれの人でも使えるようカバーをつけるなどの工夫がされているものもあります。

起き上がれないからオムツというのではなく、起き上がれなくても便意を自覚できるならば差し込み便器の利用を是非検討してみてください。
この差は周りが考えるより大きいのです。
なお、差し込み便器は特定福祉用具販売の対象となりますので、要介護認定を受けている方はケアマネジャーに相談してみてください。