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福祉用具の選び方

車いす(14)

「防災・避難」

皆さん、こんにちは。
「車いす」の第14回目です。

震災後、もしものために防災・避難用品を備える人が増えてきました。
また地域でも、防災に対する意識が変わってきたように感じられます。
私の住んでいる地域の自治会も、以前は単に避難所の場所を回覧していただけでしたが、震災後は逃げる経路や避難困難な方の避難手法の掲載など、より具体的に記載するように変更されただけでなく、地域の避難困難者の情報を募るといったように変更されてきました。

そして避難訓練も、これまでの地域の人がぞろぞろ歩いて避難場所に移動し、消防署の話を聞く形だけでの避難訓練から、実習の時間を増やした消火訓練、水を加えるだけで食べられるアルファ米など非常食の試食など、より実践的な内容に変化しています。
特に、私の住む地域では避難困難者の方をリヤカーに乗せ避難させる取り組みを行なっていますが、このリヤカーも地域の避難困難者の数に応じて配備数を増やしていくということです。
とはいっても、リヤカーはリヤカー、防災・避難用具とは言いがたいところがありますが、自治会が配備している防災用のリヤカーは少し物が違います。

価格的にも1台15万円以上と、それなりのお値段ですが、それ以外にも保管にスペースを取らないように折りたたみができるだけでなく、災害で荒れた路面でもパンクしないノーパンクタイヤで、リヤカーには折りたたみの担架もついています。
災害時、避難困難な方を背負って逃げたり、無理やり歩かせるよりも、複数人が乗れて安全に走れるリヤカーは便利です。

では、車いすを使用している人が避難する場合はどうすればよいのでしょうか。
一番良いのは避難困難者本人だけでなく、車いすもリヤカーに乗せることなのですが、スペースの問題もあります。
では、本人だけが乗って避難すれば良いかというと、当然ながら、避難所での移動が困難になってしまいます。
なにより、避難用のリヤカーを準備している自治会がそれほど多いかというと、疑問も残ります。
個人的に防災用の車いすを用意している方はいるのかもしれませんが、自治会などで用意しているのは、私見ですがリヤカーよりも少ないのではないでしょうか。
なお、防災・避難用として紹介されている車いすの多くは自走用・介助用両方の用途で使用できる場合が多く、タイヤもノーパンクタイヤか、荒地でのクッション性の高いハイポリマータイヤであることが多いです。

しかし、いくら防災・避難用といっても車いすなので、避難させる人は後ろから押さなければいけません。
震災などで周囲があわただしいとき、介助者の背中が見える前から引かれるか、背中の見えない後ろから押されるか、その違いは大きいのではないでしょうか。
また、後ろから押した場合、介助者には道路の状況なども見にくいため、スピードを出すことも難しいです。

というわけで、随分とお話しましたが、今回の本題である車いす用の避難用具である「けんいん式車いす補助装置」の紹介です。
この装置、車いすの前輪フレーム部分に取り付けることで、介助者は車いすの前輪部分を浮かして引くことができるようになります。
イメージ的には、浅草や京都などの観光地にある人力車を思い浮かべてもらうのがいいかもしれません。
これならば引っ張って避難するのでスピードもだせますし、なにより避難困難者も介助者の背中が見え安心でき、介助もしやすい。
もしもの時のために、一考の余地はあります。