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福祉用具の選び方

車いす(12)

「横乗り車いす(1)」

皆さん、こんにちは。
「車いす」の12回目です。
前回のお話から随分と時間が空いてしまいました。
その間、気になる車いすがなかったわけではありませんが、今回のH.C.R2012を含めてかなり興味を引かれる車いすがいくつか登場していたので、今回から数回に分けて紹介していきたいと思います。
それでは、再開第1回目となる今回は、横乗り車いすです。

車いすからベッド、またはベッドから車いすに移動するには、介助者に介助してもらったり、自分で行なったりする場合にベッドの手すりなどを使い、立って(あるいは、座った状態で)腰を浮かして移動(移乗)します。
しかし、この移乗介助を介助者が行なうには、要介護者の体を持ち上げなければならず、介助者に大きな負担がかかります。
また、要介護者が自力で移乗を行なうには、一度立ち上がり、その場で足踏みをしながら体の向きを変えなければなりません。
ちなみに、座ったままの移乗では、一度腰を上げ、そこから体の向きを変えなければならず、要介護者に大きな負担となります。

以前、車いすの9回目「移乗」のところでお話した、移乗の際に邪魔になる肘掛けのアームレストや、足を乗せるフットレストなどが跳ね上げられたり、取り外せれば体を回転させて方向を変えるという動作を行なわなくて済むのでかなり負担が減ります。
しかし、いくら要介護者の体への負担が減るといっても、体を持ち上げる、立つ、腰を浮かすなどの動作は要介護者の体調が変わりやすいことを考えた場合、負担のかかる動作はなるべく避けたいところです。
そこで、移乗の際の動作をできるだけ安全に、しかも負担を少なくするために開発されたのが『移乗ボード』や『スライディングボード』などと呼ばれる福祉用具です。

ここで、これまでお話していなかった移乗ボードについて少し解説しておきます。
上でお話したとおり、移乗ボードとは、要介護者がベッドや車いすから移乗する際に使用する福祉用具です。
素材的には滑りやすいポリエチレンやポリプロピレンなどでできている長方形の板状の用具で、大きさ的には幅30cm程度、全長は種類にもよりますが最大で75cm程度となります。
使い方は、まずベッドに車いすを横付けし、ベッド側のアームレストやフットレストを跳ね上げておきます。
なお、この際アームレストやフットレストが取り外せる場合には取り外しておきます。
移乗する際のベッドの高さは、ベッドから車いすに移乗する際にはベッドが、反対に車いすからベッドに移乗する際には車いすが高くなるよう調節します。
要介護者の体を傾け移乗ボードを差し込み、ベッドと車いすの間を滑れるように位置を調節し、要介護者のお尻の片方に体重をかけ、体全体をスライドさせながら移乗させます。
この方法ならば、位置エネルギーを上手に活用できるため、あまり要介護者の負担にはなりません
そして、この移乗ボードを標準搭載したのが、横乗り車いすなのです。