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介護しやすい家

住宅改修 − もっと詳しく

多くの高齢者が、自分が長く生活してきた場所にそのまま住み続けて、近隣との交流を続けていきたいと思っています。住み慣れた地域、住まいに住み続けたいと考えることは自然なことであり、それを可能にするような住環境の整備が望まれています。


住宅敷地内での事故

受傷形態別搬送人員(65歳以上)

「家庭内における不慮の救急事故:平成13年中」(東京消防庁)によると、65歳以上の高齢者は、他の年代に比べ転倒による事故発生率が高くなっています。特に居室や浴室、階段での事故に多く遭う傾向が見られます。
住宅・敷地で事故に遭った場合でも、多くの高齢者が自分の不注意や体調による誤判断を原因として先に考えがちです。それが住宅に起因するものであると意識化されることはなかなかありません。
これらの調査が明らかにしていることは、現在の住宅に住み続けたいという希望とは裏腹に、高齢者にとって最も安全であるべきはずの住宅が、十分にその役割を果たしていないということです。


住宅改修の必要性

高齢者が住みなれた住宅で自立した生活を続けていくためにも、身体機能に合わせた住環境の改造が必要になってきます。介護保険制度では、このような住宅改修に関わる費用の一部を、原則として一生涯に20万円まで補助します。何度かに分けて使うことも可能です。
高齢者本人の身体機能をよく把握して、生活行為全体を考慮した住宅改修計画を立ててください。その際は高齢者本人も積極的に改修案の作成に参加し、住みなれた住居での生活を続けられるように周囲の方々と協力して納得のゆく改修を行なってください。


住宅改修の手順

住宅改修の手順

(1)ケアマネジャーに相談
(2)施工業者も交えて住宅改修プランの作成
・見積りの作成
(3)保険者への事前申請
・支給申請書
・住宅改修が必要な理由
・工事費見積書
・住宅改修後の完成予定の状態がわかるもの
(写真または簡単な図面等)
(4)施工・完成
(5)住宅改修費の支給申請・決定
・住宅改修に要した費用に関わる領収書
・工事費内訳書
・住宅改修の完成後の状態を確認できる書類
(改修前、改修後、の撮影日が分かる写真)
・住宅所有者の承諾書
(住宅の所有者が当該利用者でない場合)
(6)保険給付分を支給


支給限度基準額についての例外

初めて住宅改修費が支給された住宅改修の着工日の要介護等状態区分を基準として、下表に定める「介護の必要の程度」の段階が3段階以上あがった場合に、再度、20万円まで保険給付を受けられます。
この場合、以前の住宅改修で支給可能残額があった場合でもその額は加算されず、支給限度額は20万円となります。
この例外は1人の被保険者に付き1回しか適用されません。

「介護の必要の程度」の段階 要介護等状態区分
(要介護度)
第六段階 要介護5
第五段階 要介護4
第四段階 要介護3
第三段階 要介護2
第二段階 要介護1
要支援2
第一段階 要支援1
経過的要介護

(例1)
要支援2のときに初めて住宅改修に着工し、その後要介護4の認定を受けましたが、この時点では再度の住宅改修は行なわず、後に要介護3と認定変更を受けました。
この場合、現在は要介護度3なので「介護の必要の程度」の段階が3段以上あがるという条件を満たしていません。再び要介護4または5の認定がなされれば、再度20万円まで支給が可能になります。

支給限度基準額についての例外(図1)

(例2)
要介護3のときに初めて住宅改修に着工し、10万円の住宅改修費の支給を受け、その後要介護1の認定時点で更に10万円の住宅改修費の支給を受けました。
この場合、初めて住宅改修を行なった要介護3が基準となるので、要介護4や要介護5となった場合でも再度住宅改修費の支給は出来ません。

支給限度基準額についての例外(図2)

(例3)
要介護1のときに12万円の住宅改修を行ない、その後要介護4で15万円の住宅改修を再度行ないました。さらにその後要介護3となった場合、支給限度額管理は例外適用後で行なわれるため、5万円までの住宅改修費の支給が可能となります。要介護1のときの支給可能残額8万円は要介護4での住宅改修費支給の際に消滅しており、復活することはありません。

支給限度基準額についての例外(図3)

転居した場合
転居した場合は、転居前の住宅に関わる住宅改修費の支給状況とは関係なく、転居後の住宅について20万円まで住宅改修費の支給を受けることが可能です。
転居前の住宅に再び転居した場合は、転居前住宅に関わる支給状況が復活します。また、前述の介護区分変更に関する基準額の例外も、転居後の住宅について初めて住宅改修に着工する日の介護等状況区分を基準とします。


(例4)
要介護1のときにA住宅で初めて住宅改修を15万円分しました。その後B住宅へ転居して、その住宅で再び20万円までの支給を受けることが出来ました。その後再び以前住んでいたA住宅に戻った場合、住宅改修費の支給状況、要介護等状況区分は転居前の住宅を基準とした過去の状態に戻りますので、5万円までの利用が可能です。
この場合、転居前のA住宅での要介護等状況区分は第二段階でしたので、要介護度が4以上になるようなことがあった場合、再び住宅改修費の支給を受けることが出来るようになります。

支給限度基準額についての例外(図4)

*参考資料*
(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターリフォネット介護保険における住宅改修・実務解説