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介護に役立つレシピ

高齢者の元気を保つ食事作り

高齢になると、歯、内臓、筋力などさまざまな体の機能が低下し、運動量も減ってくるため、「かむ力や飲み込む力が弱くなる」「便秘や下痢をしやすくなる」「食が細る」「骨が弱る」などの変調が起きてきます。また、内分泌機能や血管の弾力性の低下などの影響で、血圧や血糖値、血中脂肪値が上がりやすくなり、動脈硬化も進行します。とくに以前からその傾向がある人は注意が必要です。

食の好みにも変化が置きやすくなります。油っこいものや水けの少ないかたいものを敬遠する人が増えてきます。また味覚の低下によって、濃い味を求める傾向もみられます。

そのように体調や食嗜好が変化しやすい時期に、買い物や食事作りが満足にできないと、食事がいいかげんになりがちです。それが続くと、栄養のアンバランスから動脈硬化や認知症も進行しやすく、骨や筋力も弱くなり、気力も低下しやすいのです。

そうならないように手助けをするのが、介護する方の役割の1つ。高齢者の元気を保つ食事のポイントをおさえておきましょう。

肉や魚、牛乳、卵、大豆製品をまんべんなくとる

  • たんぱく質は、血や肉を作る源。東京都老人総合研究所の調査によると、肉や牛乳や油脂をきちんと食べる高齢者ほど、知的な活動能力が低下しにくく、寝たきり予防によいと報告されています。
  • たんぱく質を不足なくとると、床ずれもできにくいことが知られています。
  • 高齢になるとあっさりした魚や豆腐ばかりという人も増えてきますが、肉や卵や牛乳もバランスよくとるようにしましょう。
  • 牛乳はカルシウムも豊富で、骨粗鬆症予防にも必須です。
  • *腎臓病の方はたんぱく質を制限されることがあります。

野菜類は、いろいろな種類を加熱してたっぷりとる

  • 野菜や芋、海藻やくだものは、ビタミンやミネラル、食物繊維の供給源。高血圧や糖尿病、高脂血症、また、高齢者に多い便秘の改善にも役立ちます。
  • ただし、ごぼうのような繊維のかたいものをとりすぎると、おなかが張ることがあるので、気をつけましょう。
  • 野菜は、加熱すると量を無理なくとれて胃への負担も少なく、食物繊維も利用されやすくなります。季節の素材をいろいろとり入れて、食卓に変化をつけましょう。

穀物や油脂も欠かさずに

  • 穀物は、エネルギー源であるのはもちろん、食物繊維やビタミンなどの供給源にもなります。
  • 油脂は、少量でエネルギーが高いので、少食の人のエネルギー補給にも役立ちます。 脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収促進や生体機能の調整にも欠かせません。
  • ただ、どちらもとりすぎれば、肥満や糖尿病、高血圧などを招くので、適量を守ることが肝心です。

塩分は控えめに

  • 塩のとりすぎは、高血圧は動脈硬化を促進させ、腎臓機能にも負担をかけます。
  • 健康のためには、塩分は1日10g以下、1食分で3〜3.5g以内を目標に。うす味を心がけ、塩分の高い加工食品はなるべく控えめにしましょう。
    *高血圧や腎臓病などでは塩分は1日7〜8g以下を求められることもあります。
  • ただし、味つけは食欲を大きく左右するので、相手の好みや体調などに合わせて、臨機応変な対応をすることもたいせつです。食欲のないときには、少量の梅干やつくだ煮をおかゆに添えて食欲増進をはかることも必要です。

消化がよく、食べやすい調理を

  • 高齢になると歯や歯茎の状態や消化機能も低下し、唾液の分泌も減り、また、のどにものがつかえやすくなります。かたいものやパサついたものは控えめにし、のど越しのよいように切り方や調理法をくふうしましょう。
  • ただ、咀嚼・嚥下機能がとくに低下しているのでなければ、ほどほどにかみごたえのあるものも献立に組み入れるようにしましょう。かむことは、口腔内の機能を高め、唾液の分泌を促して消化を助けます。また、免疫力を高め、脳を活性化させて認知症を予防する効用もあります。

◆資料提供:女子栄養大学出版部 発行
いまある材料でくふうする「高齢者のためのクイックメニュー」