社会保険としての介護保険
わが国の社会保障には4つの柱として、高齢者や障害者などの生活を保障する「社会福祉」、生活困窮者に最低限の生活を保障する「公的扶助」、国民の健康の保持・向上を図る「公衆衛生」、そして「社会保険」があると言えます。さらに、この社会保険の中に「年金」「医療保険」「労働保険」と共に「介護保険」があり、老齢・障害・病気・失業・労働災害・介護など、いざという時に保険料の給付やサービスが受けられる仕組み(制度)となっています。
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介護保険制度の誕生と改正
介護保険法は、1997年(平成9)12月に成立しました。そして2000年(平成12)4月、介護を必要とする人を社会全体で支える仕組みとして介護保険制度がスタートしました。
介護保険が始まる前は、税金を使って、社会福祉事務所などが介護サービスの提供を決定する「措置制度」という仕組みがとられていました。しかし、この措置制度は、高齢化の進展の中で財源の不足に直面することになりました。
また、1996年(平成8)頃には、医療費は30兆円に迫る勢いを示しており(平成16年度で32.1兆円)さらにその医療費の3分の1を老人医療費が占めていました。これには、介護を必要とする高齢者の世話を自宅でできないために病院に長期間入院させる、いわゆる「社会的入院」の増加も大きな要因の一つであると言われていました。そこで考え出されたものが、医療費から介護部分を切り離すことによって生まれた介護保険だったのです。
介護保険制度は、当初から5年後に見直す予定になっていました。そのため2005年(平成17)6月に介護保険法が国会で改正され、2006年(平成18)4月から新しい介護保険制度がスタート、2009年(平成21)4月より介護報酬の改定および要介護認定システムの一部が改正されました。これが現在の介護保険制度です。
予防重視型への転換
2006年の改正で最も重要な点は、介護の必要な度合いを表す「要介護度」が6区分から7区分に増えたことです。2006年3月までは要介護度は「要支援」「要介護1〜5」に6区分され、要介護者(介護を必要とする人)は同種のサービスを受けていました。しかし改正後(06年4月以降)は、「要支援」が「要支援1」に、また「要介護1」が「要支援2」と「要介護1」に分離され、「要支援1・2」「要介護1〜5」の7区分となりました。(右図参照)
「要支援」や「要介護1」という軽度の要介護者の急増(2000年と06年を比較すると、それぞれ2.5倍、2.6倍の増加)は、新たな介護費用の発生につながりました。そのため、軽度者への介護を「介護予防サービス」(要支援1・2対象)として「介護サービス」(要介護1〜5対象)から切り離して別の給付体系とすることによって、介護費用の抑制を図ると共に、要介護者の発生予防にさらに努めるというわけです。
他の大きな改正点としては、地域包括支援センターの設置や介護保険3施設の居住費・食費の自己負担化、地域密着型サービスの創設などを挙げることができます。
日本はすでに「超高齢社会」に突入
2008年(平成20)の日本の総人口は、約1億2千770万人。その内、65歳以上の高齢人口は約2千800万人で22.0%を占めており、日本はすでに「超高齢社会」に突入しているのです。
2015年(平成27)には、いわゆる団塊の世代が高齢期を迎えるために、65歳以上の高齢人口は約3千380万人となり、高齢化率も27%と4人に1人以上が高齢者となります。その後も総人口は減少し続けますが少子高齢化はさらに進み、2055年(平成67)の高齢化率は40%を超えると予想されています。そのためにも、介護予防に重点を置いたサービスがますます必要になってくるわけなのです。
| 高齢者と社会の高齢化 65歳以上の人は「高齢者」と呼ばれます。さらに、65歳〜74歳を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と区別しています。 そして、高齢化率(65歳以上の高齢人口が、総人口に占める割合)によって、以下の3つに区分されています。 ・高齢化社会(高齢化率7%〜14%未満) ・高齢社会(14%〜21%未満) ・超高齢社会(21%以上) |



