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介護保険制度の背景

介護保険制度の背景を以下の4つに分けて説明しています。

社会保険としての介護保険

わが国の社会保障には4つの柱として、高齢者や障がい者などの生活を保障する「社会福祉」、生活困窮者に最低限の生活を保障する「公的扶助」、国民の健康の保持・向上を図る「公衆衛生」、そして「社会保険」があります。

そして、この社会保険の中には、老後の生活の基盤となる「年金」、全ての国民が一定の医療を受ける事を保証する「医療保険」と「後期高齢者医療」、仕事上の災害や失業から被雇用者の生活を担保する「労働保険」などと共に、高齢者の健康な生活を国民全体で支える「介護保険」があり、いざという時に保険料の給付やサービスが受けられる仕組み(制度)となっています。


介護保険制度の誕生と2度の改正

超高齢化社会を迎えた日本社会において、高齢者を家族などの個人ではなく社会全体で支えるという理念のもと、2000年(平成12)4月に誕生したのが介護保険制度です。

介護保険制度施行以前は、福祉援助が必要な高齢者に対して行政が税金を使い必要なサービスを提供する「措置制度」が行なわれていました。

しかし、社会全体の高齢化傾向に加え、社会福祉費用や老人医療費の増大がサービスを提供する自治体財源を圧迫し、財源不足が大きな問題となりました。
これらの問題を受け、増大する医療費から介護部分を切り離し誕生したのが介護保険制度です。

本制度では、介護を必要とする人に対し自治体が必要なサービスを選定する制度から、介護を必要とする人が必要なサービスを自由に選択できる制度となり、制度施行以前に問題となっていた老人医療費増大の一因である「社会的入院」の軽減も図られました。

介護保険制度では施行当初より5年ごとの見直しが予定されていました。
2006年(平成18)の改正では、「介護予防給付」および「地域包括支援センター」の新設と「介護認定区分の6段階から7段階への変更」が、2009年(平成21)に行なわれた一部改正では「介護報酬改定」と「介護認定基準の見直し」が行なわれました。

今回の改正では、「地域包括支援センターを中心とした地域ケア体制の構築」、「24時間サービス・複合型サービスの導入」、「介護福祉士の医療行為の容認」などが盛り込まれました。

予防重視型への転換、地域包括ケアの推進

要介護度の改正

2000年より施行された介護保険制度では、老人医療費や社会的入院の増大が財源を圧迫したことから、介護を必要とする状態になる事を防ぐ「介護予防」および「在宅介護」の考えが重要視される事となりました。

このため、2006年の改正では、介護を必要としない要支援者の増加を受け、介護認定区分を6段階から7段階に細かく規定し直すとともに、介護サービスから介護予防サービスを切り離し、新たに「介護予防給付」が新設されました。

また、地域福祉の拠点となる「地域包括支援センター」の設置も各自治体に義務づけられました。

在宅介護の観点では、高齢者数の増加を受け地域包括支援センターを中心に地域全体で高齢者の支援を行なう「地域包括ケア」の概念が厚生労働省の提唱されており、2011年の改正では、この地域包括ケアをより推進する為の改正が行なわれました。

地域包括支援センターを中心とした地域包括ケアシステムの推進として、地域包括支援センターと地域事業所の連携強化が義務づけられたことに加え、在宅介護の推進として夜間、日中を通じての訪問介護・訪問看護サービスが受けられる、「定時巡回・随時対応型訪問介護看護」や、小規模多機能型と訪問看護を組み合わせた「複合型サービス」の導入も行なわれました。

「超高齢社会」における介護保険制度

2010年(平成22)の日本の総人口は約1億2千800万人、その内65歳以上の高齢人口は約2千944万人で23.1%を占めており、「超高齢社会」に突入して以来高齢者数は増加の一途をたどっています。

2015年(平成27)には、いわゆる団塊の世代が高齢期を迎えるために、65歳以上の高齢人口は約3千380万人となり、高齢化率も27%と、国民の4人に1人以上が高齢者となります。

その後も総人口は減少し続けますが少子高齢化はさらに進み、2055年(平成67)の高齢化率は40%を超えると予想されています。

このため、今回の改正では、従来の介護予防・在宅介護意識を更に押し進めた地域包括ケアの推進に加え、介護保険財源の確保および介護保険制度の継続的な運用に重点を置いた制度改正が行なわれています。

高齢者と社会の高齢化
65歳以上の人は「高齢者」と呼ばれます。
さらに、65歳〜74歳を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と区別しています。
そして、高齢化率(65歳以上の高齢人口が、総人口に占める割合)によって、以下の3つに区分されています。
・高齢化社会(高齢化率7%〜14%未満)
・高齢社会(14%〜21%未満)
・超高齢社会(21%以上)