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あったかコラム

介護職Y氏の新制度考える

23.平成24年度介護保険制度改正(6)

皆さんこんにちは。
介護保険制度改正の6回目です。
今回の改正の目玉で、地域包括ケアの要でもある「24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護」ですが、実際に制度がスタートしても、サービスを提供する事業者が全国に波及していないことが問題となっています。

新サービスのスタート前に行なわれたトライアルのモデル事業では、全国で約60事業者が参加していたのですが、今年4月の新制度実施以降も事業を継続したのは約半数の34事業者のみで、それ以外の事業者は、事業の継続は行ないませんでした。
正式導入後、事業の継続を行なわなかった理由は簡単です。
事業を行なうことで赤字になることが目に見えているからです。

以前にもお話しましたが、「24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護」の利用料金は、包括報酬による定額制となっています。
これは、利用の有無にかかわらず、毎月決まった料金を支払うことになるのですが、利用者からすれば、利用すれば利用するほど1回にかかる費用は安くなりますが、反対に事業者にとっては特に人件費などが割高となる夜間利用が増えた場合、収益の採算が合わなくなってしまいます。

実際、今回のモデル事業では夜間訪問介護・看護を行なっている事業者もモデル事業に参加していたのですが、夜間利用が飛躍的に増加したため正式な参入は諦めたそうです。
また、夜間の緊急コールの内容についても、トイレ介助などの比較的軽度のものから、転倒や緊急搬送など重篤な内容も多く、これは、従量制のため利用を控えてきた利用者が、料金を気にせずに利用するようになったためと見られています。

当たり前ですが、利用者が増加したり利用する回数が増加すれば、サービスを提供する事業者もサービスを提供する人材を確保しなければなりません。
しかし、この人材確保も新サービス参入の大きな問題となっています。
なぜなら、看護士、特に夜間勤務が可能な看護士を確保するのは困難であることに加え、夜間訪問のヘルパーについても、質の維持が必要になるからです。

今回の改正では、訪問介護の1回の訪問時間が短縮されており、定期巡回では短時間の訪問で効率よくサービスを提供する経験豊富なヘルパーが、随時対応では体力のあるヘルパーの確保が重要となります。
また、人材の確保が行なえたとしても、2人体制で訪問が行なえる事業者は少なく、特に夜間の訪問を考えた場合、ヘルパーの多くが女性であることから、安全面を考えて事業への参入を控えている事業者もあるそうです。