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あったかコラム

UDプロデューサー・栂紀久代の「笑顔とありがとう」

1.介護の気持ち

介助者の気持ちや仕事の支援をするのは大賛成です。
しかし、その中に当事者の気持ちも考えて欲しいと思います。
当事者は、障がいや認知症になろうと思ってなったわけではありません。
もっと社会が車いすを使っている人の気持ちを考えるべきだと思います。
車いすを使ってレストランに入ると、ウエイターやウエイトレスは必ず介助者に注文を聞きます。
しかし、当事者にどうして聞かないのでしょうか?
私の場合は、主人が当たり前のように答えていましが、ある日私は主人に聞かれても答えずに、ウエイトレスに「私にどうして注文を聞かないの?」と聞くと、驚いたような顔をして目を丸くしていました。
主人に向かって「私は判断能力ありますから、貴方に言うのではなく私に注文を聞いて欲しいと思います」と言うと主人もビックリしていました。
その後は、主人が「本人に聞いてください」と答えるようになりました。
電車に乗る時にも、介助者にしか聞かない。
私に用事があっても、介助者にしか伝えない。
これは間違っています。
車いすを使っていても、判断能力がある人が、そのような扱いを受けると、どんな気持ちになるでしょうか?
車いすを使っているだけで、人権・人格を奪われてしまうのでしょうか?
介助者は、車いすを使っている人の安心・安全を確保し、提供する事が仕事です。
車いすを使っているだけで、何も出来ない、何も解らないと勝手な判断するのは間違っています。
車いすは低い位置にあります。
立っている人からいうと見おろす目線です。
しかし、見くだす目線であってはいけません。
子供さんと同じくらいの高さだと、幼児語で話すことも間違っています。
ある病院で、問診票を持った看護師の方から「介助者は?」と聞かれ「ここで待てるかな〜? これ一緒に来た方に渡せるかな〜?」といわれました。
私は「まだ認知症はございませんので自分で書けます」と言い返しました。
鉛筆を取り思いっきり綺麗な字で楷書で問診票を記入し「これで読めますか?」と看護師の方に渡しました。
恥ずかしそうに「申し訳ございません」と言う言葉が返ってきた。
その後は、私にも普通に話をしてくれるようになりました。 車いすを使っているだけで、この扱いは間違っています。
これでは、どこにも出たくなくなります。
車いすを使うようになった方が、引きこもりになるのも当然のことだと思います。
もしも、自分が反対の立場なら……。
一体どんな思いがするでしょうか?
誰も介助されたくて、介助してもらっているわけではありません。
もう一度当事者の気持ちを考えて欲しいと思います。