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高齢者の消費者トラブル

悪質商法の事例と対処

見慣れない人物が出入りしていると通報を受けて…

民生委員のSさんの元に、Sさんの担当区域内のTさんご夫妻の近所の方から、「作業服の男性がよく出入りしている」と連絡が入りました。話を聞いてみると、「屋根瓦がずれているから」と訪問してきた業者との間で、300万円の瓦屋根改修工事の契約をしていました。業者が契約をせかすのはおかしいと思ったので、一声かけましたところ、やはりご夫妻も不信に思うところがあったようで、解約したいとのことでした。

点検商法
特徴:「屋根瓦がずれているようだ」「無料耐震診断をしてあげる」「布団の定期点検に来た」などと、点検を口実に消費者宅を訪問し、「腐っている。工事をしないと危険」「このまま地震が来たら危ない。近所にも迷惑をかける」「ダニだらけ。健康に悪い」など、事実と異なることを言って消費者の不安をあおり、商品の販売や工事の契約をさせる商法。

● 気づきと対応のポイント

ご本人に被害者意識がない場合、周囲の具体的な声掛けで被害に気づくことがあります。ご本人が納得して契約している場合もありますので、まずは高齢者の意思を尊重して、信用できる業者かどうか、一緒に考えましょうといったようなスタンスで話を進めてみましょう。 頻繁に業者が出入りしている場合、複数の業者から契約させられている可能性もありますので、特に注意をして見守りましょう。

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何かの説明会に頻繁に出かけるようになって…

民生委員のTさんは、最近この地域にやってきた業者を話題にしました。会場に人を集めて無料で日用品を配っているようです。ご夫婦で暮らすEさん(73歳女性)が、興奮状態の会場で70万円の磁気マットレスを購入してしまったと打ち明けてくれました。ご本人に確認しましたら、解約したいとのこと。一人で相談に行くのは不安とのことで、Tさんが付き添って消費生活センターへ行きました。

催眠商法
特徴:閉め切った会場に人を集め、日用品などをただ同然で配って雰囲気を盛り上げた後、最終的に高額な商品を契約させる催眠(SF)商法と呼ばれる手口。数日間にわたる演出がある場合もある。

● 気づきと対応のポイント

冷静になってはじめて失敗に気づきます。落胆の表情が見られる方にはやさしく声をかけてみて下さい。 いそいそと楽しそうに出かける回数が増えたときには、定期的に業者のところへ出かけている可能性もあります。 日常的な会話の中で、近所で起きたトラブル事例を紹介すると効果的です。

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訪問販売の業者がやってきて…

ヘルパーのTさんが、一人暮らしのWさん(80歳女性)のお宅で、夕食の支度をしていたときです。玄関の呼び鈴が鳴り、Wさんが来客に応じました。ときどき聞こえてくる話の様子では、水道水の話のようです。Tさんが居ることを知ってか知らずか、業者はなかなか引き下がろうとせず、冬の寒い日だというのに10分以上も玄関先で話し込んでいました。Tさんは思い切って、玄関先のWさんに、冷静な判断を促すように声をかけました。

家庭訪販
特徴:販売業者が消費者の自宅を訪問し、商品やサービスを勧誘・販売する方法。強引な勧誘や長時間に及ぶ勧誘など、問題も多い。

● 気づきと対応のポイント

訪問中に業者が訪ねて来た場合、ヘルパーの存在を知らせるだけでも効果的です。業者からかかってきた電話を上手に切れずに困っている場合には、用事を頼むなど、電話が切れるように支援してもいいでしょう。訪問や電話に怯えている場合は、トラブルに巻き込まれている可能性があります。事業所を通じてケアマネジャーに連絡を取りましょう。

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新しい高級羽毛布団を見つけて…

ヘルパーのYさんが一人暮らしのKさん(83歳女性)の家で布団を干そうとしていたところ、押入れを開けたら見慣れない羽毛布団が隠すようにしまわれていました。Kさんに聞いてみると、よく覚えていないとのこと。テーブルの上に契約書が置いてあったので見せてもらったら、100万円もする羽毛布団の契約をしていました。他にも寝具などの契約書もありました。Yさんは事業所に連絡し、事業所から連絡を受けたケアマネジャーがご家族に連絡を取りました。ご家族は消費生活センターに相談をしました。

次々販売
特徴:一人の消費者に次から次へと契約させる商法。同じ商品または異なる複数の商品を次々に契約させるケースや、複数の業者が次々に契約させるケースなどがある。高齢者の場合は布団、着物やアクセサリー、リフォーム工事、紳士録などの苦情が多く、契約金も高額。

● 気づきと対応のポイント

見慣れない商品を見つけた場合には、一声かけてみてください。まとまった量の健康食品、未使用の医療用具など、普段見慣れないものが必要以上ある場合、次々と物を購入させられている可能性があります。認知症の症状が見られる場合には、出来るだけ早く事務所に連絡しましょう。

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お金に困っている様子が見られて…

ヘルパーのHさんは、一人暮らしのIさん(76歳男性)のお宅では買い物を頼まれます。最近、そのリストの品数が減り、必ず飲んでいた牛乳も「いらない」といわれるようになったそうです。ついに、買い物は必要ないといわれたHさんは変だなと思い、「何か困っていらっしゃるのですか」とさりげなくIさんに尋ねてみました。すると、必ず儲かるからと勧められた先物取引で大損してしまったとのこと。業者を信用して貯金を預けていたので生活のお金にも困っていたそうです。Hさんは事業所に連絡し、事業所から連絡を受けたケアマネジャーは本人に付き添って消費生活センターに行きました。

資産形成取引
特徴:企業の未公開株や、商品先物取引市場における金、大豆、債券などの先物取引に誘い込み、金銭を騙し取ります。こういった投資関連の悪質商法は他にも、ほとんど現物が存在しない会員権などのサービスを買わせる「現物まがい商法」や、ほとんど利用価値のない土地や山林が将来値上がりすると売りつける「原野商法」などがあり、今後ますます増加する恐れがあります。

● 気づきと対応のポイント

お金に困っている場合は、トラブルに巻き込まれている可能性があります。いくつもの業者から借金を重ねて多重債務に陥っている可能性もありますので、金融会社からのダイレクトメールや請求書等にも気を配ってください。日常の金銭の管理が不安になってきた場合は、地域福祉権利擁護事業などを利用する方法もあります。

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