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認知症

脳血管性の認知症

脳血管性の認知症の症状

脳血管性の認知症の原因として一番多いのは、小さい脳梗塞が多発する多発性ラクナ梗塞です(ラクナというのは小さい脳梗塞巣のことです)。脳梗塞とは脳の血管がつまって、脳の組織が死んでしまう病気です。小さい梗塞巣が一つ二つあるぐらいでは、症状は出現しません。しかし、小さい梗塞巣が多発すると、徐々に脳の機能が低下して、認知症や運動の障害が出現してしまうのです。脳血管性の認知症では、基礎疾患として糖尿病、高脂血症、高血圧などの血管がつまりやすくなるような病気が存在します。

脳血管性の認知症では次のような症状が出現します。

  1. まだら認知症と情動失禁

    脳血管性の場合はこの二つが目立ちます。小さい梗塞巣があるところの機能が低下するため、病巣の位置によって低下する機能と正常な機能があります。したがって、「計算力は低下しているのに、記憶は意外に良い」、ということが起こり、このような状態を「まだら」と表現します。情動失禁は、感情のコントロールがつかず、すぐに泣き出したり、怒ったりする症状です。アルツハイマー病に比べ、性格が保たれている事も脳血管性の特徴です。

  2. 運動症状の合併

    多発する小さい梗塞巣は同時に、脳の運動の中枢も壊してしまうため、運動症状も合併します。軽い麻痺があったり、歩行でふらついたり、足が出づらく歩幅が小刻みになります。このため、歩行中転倒しやすくなるので、骨折しないように注意しなければなりません。
    また、嚥下も悪くなることがあるので、食べ物をうまく飲み込めず、気管の方に入ってしまい、肺炎を合併することがあります。

  3. 突然の増悪

    脳梗塞の場合は、血管がつまると急に症状が悪くなります。徐々に増悪していくアルツハイマー病に比べ、脳血管性の場合は、「あのときから急に悪くなった」と家族の方が、気づくことがあります。

脳血管性の場合は、性格が保たれているので、この意味で家族の方のストレスは重くはありません。しかし、運動障害のために車椅子、寝たきりとなり、介護の手間がかかる点が問題になります。

脳血管性の認知症の治療

認知症そのものの治療薬はありません。脳梗塞が進展しないような治療が行われます。血栓が出来ないように血小板の機能を抑制します。小児用バファリン、バイアスピリン、プレタールなどの薬剤が使われます。また、運動機能を維持するためにもリハビリテーションは必要となります。