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化粧療法

メイク(1):メイクをはじめる前に・ベースメイクの方法

 歳を重ねることで、肌には様々なトラブルが現れてきます。しみ、しわ、くすみ…これらの加齢現象をカバーし、肌を保護する目的でメイクを行なうことは、女性がいつまでも美しくいたいという希望を叶え、老化のスピードを緩やかにする効果も期待できます。また、美容のもつスキンシップの効果として、技術と愛情をもった手で肌に触れ、ケアすることで凝り固まったこころとからだをほぐすことができると考えられています。
 メイクの方法としてメイク(1)・(2)の2回に分けてお話していきますが、今回はメイクをはじめる前に注意すべき事項とベースメイク(ファンデーション)についてお話して行きたいと思います。

メイクをはじめる前に

(1)施術環境と衛生:
 メイクアップを行なう際、視覚(環境・照明)、聴覚(室内の音・音楽)、嗅覚(香り・アロマ)などに配慮した心理的な場を整える必要があります。なぜならば、環境を整えることによって利用者の方が心からリラックスし、豊かな表情を引き出しやすくなるからです。
 テーブルには施術に必要な化粧品、道具などを施術の手順に沿って使いやすく、また、利用者の方の目に留まるため、見た目にもきれいにセッティングします。
 感染症を防ぐために、施術者の手指や使用する道具の消毒を必ず行ないましょう。また、事前に利用者の方にお手洗いの確認もしておきましょう。

(2)メイクに必要な用具:
セッティング
白タオル、クリップ(前髪を止められるもの)、クロス(白タオルでも可)、箱ティッシュ、綿棒、鏡、蒸しタオル

メイク道具(今回の内容に必要な道具のみ)
スキンケア用品(スキンケア:ハリ・潤いのある清潔な肌を目指して 参照)、下地クリーム、コンシーラー、ファンデーション、粉白粉、パフ、フェイスブラシ、スポンジ

(3)内容の説明:
 施術の前に、利用者の方に「これからメイクをしてきれいになりましょうね」と声かけを行ない、これから何を行なうのかの説明をしましょう。そして、ファンデーションやアイライナーなど、各工程の節目にも、一つひとつ説明を入れていく必要があります。説明をせずにいきなり肌に触れてしまうことで、利用者の方を緊張させたり、不安にさせたりしまう可能性があるため、内容の説明はとても重要です。

(4)前準備 肌を整える:
 洗顔後(困難な場合は省略)、熱すぎないか確認した蒸しタオルを顔にあてます。蒸気で毛穴が開き、美容液などの浸透が良くなると共に、高齢者の肌は乾燥していることが多いため、メイク前に肌を柔らかくする保湿効果も望めます。

(5)スキンケア:
 スキンケア:ハリ・潤いのある清潔な肌を目指して をご参照下さい。

すべての準備は整いましたか?ここからメイクの手順(ベースメイク)に入って行きます。


T.ベースメイク

1.下地クリーム
下地クリームを塗らずに直接肌にファンデーションを塗ってしまいがちですが、下地クリームは、ファンデーションの定着を良くするのはもちろんのこと、化粧品の中に含まれる色素が肌に沈着するのを防いでくれます。紫外線防止(UVカット)や肌色のコントロールカラーとして使用できる商品もあります。コントロールカラーのものを使用する場合は、一般的には顔色が明るく見えるピンク系を選ぶと良いでしょう。赤ら顔が気になる人は反対色のグリーン系を選ぶと赤みを抑えることができます。
塗布方法は、下地クリームを手に取り、顔の内側から外側に、目や口の周りは円を描くようにします。

タオルドライ

2.ファンデーション
より自然な仕上がりを求め、高齢者の肌に使用するならば、保湿力のあるリキッドタイプのファンデーションが良いでしょう。リキッドの他にも、カバー力の高いクリームファンデーションや、手軽に肌を整えることができるパウダーファンデーションなどがありますが、どちらもパウダーを多く含み、仕上がりがマットなため、乾きやすい高齢者の肌では粉っぽい仕上がりになります。
高齢者の肌は弾力が低下しているため、ファンデーションはリフトアップするように下から上に引き上げるように塗りましょう。
また、ファンデーションでカバーできない部分は、コンシーラーで補っても良いでしょう(図1参照)。

3.粉白粉(ルースパウダー)
パウダーはリキッド(クリーム)ファンデーションの定着を良くして、化粧崩れを防ぐ効果があります。白粉は乾燥しにくいTゾーンからのせ、大きめのフェイスブラシで粉を払うとつやが出ます。
超微粒子のルースパウダーを使用すると、つやのある仕上がりになります。

 ベースメイクで肌のトラブルをカバーし、肌を整えることで利用者の方の顔が明るくなり、イキイキとしてくることがきっと感じられると思います。
 メイクを特別なものと考えるのではなく、毎日の生活の中に無理なく組み込んでいくことが重要といえます。例えば、高齢者の方の肌にはリキッドファンデーションが適していますが、手間を考えれば簡単なパウダーファンデーションを使用しても良いのです(その場合はしっかりと保湿をしましょう)。複雑な内容のものではなく、シンプルなメニューを導入して、生活の中で美容を楽しく続けられるようにサポートして頂きたいと思います。

 次回のメイク(2)では、ポイントメイクをご紹介いたします。